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余市駅の遷り変り

デモ行進(余市駅前)


(S10年代)

余市駅は明治35(1902)年12月、北海道鉄道株式会社による然別-蘭島間の 開通にあわせて開業しました。 昭和のはじめには駅長以下、貨物係、小荷物兼改札係など27名の職員が常駐、 保線手の詰所も置かれました。昭和6年の年間乗降客数は50万人を超え、 ニシンをはじめとする水産物やリンゴなどの農産物など多くの貨物も取り扱い、 行商の人たちで賑やかでした(昭和27年当時、約800名)。 開業後すぐにリンゴの駅売りが始まり、列車がホームに入ると「リンゴー、リンゴー」 のかけ声が聞こえ、リンゴ1斤(約600g)が1銭5厘(100銭=1円)で売られ、 最初はカゴ入りでしたが、後に木綿糸製の網袋が町内の駅売り業者により 考案され全国からその網袋の問合せが殺到しました。

当時の駅前の様子

余市駅


(S20年代)

昭和27年には余市駅は開設50周年を迎え、同年秋の余市リンゴ祭りにあわせて 記念映画会や座談会などお祝いの行事を催しましたが、翌28年5月、駅前を含む 黒川町の広範囲に被害を及ぼした火災により駅舎が焼失してしまいました。 仮駅舎が利用されたのは10ヶ月ほどで、同29年3月には3千200万円余りを 投じて建てられた鉄骨ブロックによる耐火建築の新駅舎が完成しました。

新駅舎S20年代

余市駅


(S40年代)

昭和44年には「ツバメの楽園余市駅」の報道が見られます。 新駅舎が出来て間もない頃からツバメが巣づくりを始め、 同年には待合室の軒下やホームの天井に百数十個の巣があり、 700~800羽のツバメが見られました。駅員達は落ちたヒナを巣に戻し、 ヒナを狙うカラスを追い払い、巣の周りの手入れをするなどして「ツバメの楽園」を守り、 乗降客をフンから守るためのフン受けの板を張るなどの対策も同時に講じました。

余市駅S40年代

余市駅


(現在)

その駅舎も40年余りが経過し、老朽化が目立ち始めた 平成3(1991)年にはJR北海道が駅舎の新築に乗り出し、 余市町による情報センター(仮称、当時)と連結された駅舎の構想が立てられ、 同8年3月19日に新余市駅が開業しました。

現在の余市駅